釈迦 「古道について」 雑阿含経より(「仏教の根本聖典」増谷文雄)
比丘たちよ、過去の諸仏のたどった古道とは何であろうか。それは、かの八正道のことである。すなわち、正見・正思・正語・正業・正命・正精進・正念・正定である。
比丘たちよ、これが過去の諸仏のたどった古道であって、この道にしたがい行いて、私は、老死を知り、老死の縁って来たる所を知り、老死の滅を知り、老死の滅にいたる道を知ったのである。
比丘たちよ、わたしはまた、この道にしたがい往いて、生を知り、有を知り、取を知り、愛を知り、受を知り、触を知り、六処を知り、名色を知り、識を知り、行を知り、それらの縁りて成るところを知り、それらの縁りて滅する所以を知り、その滅を実現せしむべき道を知ったのである。
私は特定の宗教を信奉するものではないが、仏教経典は、生き方の指針として折に触れて読む。釈迦が最初に説いたであろう教えと言われるのが、八正道である。
シャーリプトラ 「無明について」 雑阿含経より
「友よ、無明、無明と称せられるが、友よ、無明とは何であるか。」
「友よ、およそ苦についての無知、苦の生起についての無知、苦の滅尽についての無知、苦の滅尽にいたる道についての無知。友よ、これを称して無明というのである。」
「友よ、さらば、この無明を捨て去る道があるのであろうか。」
「友よ、かの聖なる八つの道こそは、この無明を捨棄する道である。それは即ち、正見、正思、正語、正業、正命、正精進、正念、正定である。友よ、これが無明を捨棄する道である。」
八正道の実践によって、苦から人は脱することができる。救われる。そう説いた釈迦の教えはつとめて実践的で、シンプルにして明快である。