Advisory

顧問業務

各種業法、オペレーション、技術面など専門知識に強みのある企業分野です。

金融機関(銀行・信販会社)

西村法律事務所が対応している、地方銀行、信販会社に関する顧問業務は多岐にわたります。
債権管理・回収の適正を図るためのコンプライアンス・チェック、各種の融資や債権管理のために取り付ける書類の作成やチェック、金融庁ガイドライン・事業再生対応・保証人ガイドライン・総会対応・反社会的勢力対応・個人情報保護法・信用情報登録・民法改正・担保法改正など各種法改正によるひな形見直し対応・担保保証管理や時効管理・破産・民事再生会社・更生特別清算への対応・最近では事業再生案件への対応など、挙げるときりがありません。
金融商品や与信取引には専門的知識を要する分野が多岐にわたり、ディープであり、また、次々と対応すべき新分野が生まれてきます。

また、借主となる各種事業者の業務形態や行動パターンへの深い理解と分析力、経験値が必須です。顧問弁護士も、ありとあらゆるビジネス業態への理解と精通が求められます。
借主側の業界への深い理解は、借主の特性ごとの債権保全や回収、企業の再建における対応判断のうえで、妥当性を確保するためにたいへん重要になります。

債権者側でも債務者側でも裁判所側(破産管財人や民事再生監督委員)の経験を総合的に積んでいることが重要になります。
地域金融機関は、紛争対応の中にも共存共栄を旨とした理念が求められます。
金融機関は、破産・民事再生・会社更生・特別清算・私的整理では、申立代理人・破産管財人・民事再生監督委員などと交渉する機会が多く、債権者側としてのデリケートかつ適切な対応が求められます。

損害保険会社・損害保険代理店(交通事故、各種事故、労災)

西村法律事務所は、損害保険会社から日常的に交通事故・労災事故や非定型な事故の処理の依頼を受けています。
ですから、交通事故の処理には、他の事務所より優れた、高い専門性を有しています。

事故の被害者からのご依頼も積極的にお受けしています(顧問先の損保が相手方にならない場合に限ります)。
事故は、交通事故ばかりではありません。店舗、学校、施設での転倒や業務ミスからの事故、労災事故、火災、爆発事故、工作物責任事故なども、少なからず処理しています。

事故処理では、様々な保険や特約に関する知識が欠かせません。自賠責保険、人身傷害特約はもちろん、施設賠償保険(業務災害保険)、労災上乗せ保険、火災保険、個人賠償保険・日常生活賠償特約・自転車保険、弁護士費用特約など、会社や従業員にとっていざというときにあってよかったと思える保険は多いです。
リスクマネジメントの指導は、あらゆる業態の顧問先に対しておこないますが、そこでは、各種の保険(事業遂行賠償保険、施設賠償保険、製造物責任(PL)保険、火災保険、上乗せ労災保険、専門家賠償責任賠償保険など)について、付保すべきかどうかの指摘を行います。
特に顧問先には、会社だけでなく、経営者やにとって、個人賠償保険などの保険のかけ忘れがないかといった、かけ方をアドバイスすることも多々あります。

システム開発・IT(Web、各種プログラミング)

システム開発トラブルについて弁護士が相談を受けるには、まずもって弁護士の側が、システムエンジニアの開発業務の手順(ヒアリング、業務分析、要件定義、サーバー構築、組み込みLinuxのカーネル構築、データベース構築、Webデータベース)に対する作業イメージの理解や、プログラム(Linux、PHP、C、JavaScriptその他)がどのように組まれるか、コードを説明されればある程度は理解できる程度の知識と理解を要します。

西村法律事務所の西村幸三弁護士は、MS-DOS時代からの日本語データベース「桐」でデータベースを自作して活用し、Excelでは、2000年の時点で、不当利得のマイナス5%利息を加算する過払金計算シートを自作して全国の弁護士に無料配布していました。
マイナス5%の金利を付けるExcelシートは条件分岐設定が複雑で当時他に存在せず、過払い額が大きく膨らむので画期的でした。その後過払金計算でマイナス5%を付けて請求することがトレンド化し、いわゆる過払バブルとなりました。
京都弁護士会の業務のデータベースシステム(MySQL、Webデータベース)の改修や業務改善ににスーパーバイザーとして長年携わってきた経験があります。

Linuxを含めたシステム開発トラブルの訴訟はこれまで多数引き受けていますが、相手方の法律事務所の殆どの弁護士が、実はシステム開発のイメージも持たずに受任をしていることを、経験上感じています。
Windows用語だったら裁判官はまだ多少はわかりますが、Linuxのカーネル構築、ミドルウェア、Webデータベース、MySQLとなると、もう、裁判官は、全くイメージすら理解できない人が多いです。
裁判所の専門部といわれるような部にかかっても、それに近い状態です。
弁護士も、訴訟の場などに立つと、ほとんど理解ができていないな、と感じるレベルの人が多いです。
それなのに、依頼者(それがシステム開発会社のこともありますし、顧客側のこともあります)のいうがまま事案も把握せず、やみくもに無謀な提訴をしてきたり、無駄な応訴をしてきたりします。
そして、裁判官も、システム開発のイメージを殆ど理解できていないことが多いです。
その結果、無駄に審理回数を重ねて、1年、2年、控訴して3年以上かかるシステム開発訴訟というのも、決して少なくありません。

つい最近、システム開発業者同士の訴訟で、東京地裁で丸3年、相手方代理人と裁判官の無理解に空転しながら期日を重ね、合議部に移って若手裁判官と専門委員が入ってようやく審理が進み、こちらが完全勝訴したという事例がありました。

西村法律事務所では、取扱経験から、Webデータベースプログラミング(coldfusion、PHP)や、サーバー構築(Linuxサーバー、Windowsサーバー)、データベース構築(MySQL、Windows Server)、プログラミング言語(Basic系、C系)などについて、自分でコーディングして環境構築するまではいかずとも、システム開発の作業プロセスを理解し、達成段階を把握するリテラシーを持っています。
ちなみに、この事務所のホームページについても、最近まで、レンタルサーバーのMySQLツール上でのバージョンアップその他の管理、PHPの設定ファイルのアクセス権限等の修正、Wordpressの導入やカスタマイズ、HTMLやcssの記述を、内製でおこなっていました。

システム開発では、開発側の会社も、発注側の会社も、また開発業者同士でも、契約管理が甘く、業務の特定や範囲が読んでも(当事者の双方または片方ではわかっていても)不明確なケースが多いです。
これは、システム開発という業務の内容や手順を理解し、それを契約内容に落とし込むリテラシーの連結が上手くできてないからといえます。
システム開発に際しては、既存の業務の改革・リエンジニアリングを必ず伴いますが、受注側の経営幹部や担当部署がレガシーな業務ルーチンに固執したり改革に反対したりシステム開発に対する理解が無かったりということはしばしばです。
顧客が、システム開発会社に対して既存システムや業務手順や帳票を一部開示しなかったり、そもそも説明能力がなかったりして、要件定義が進まない、または要件定義だけで膨大な工数を必要としたりします。
しかし、その作業価値を理解せずにタダで営業に来ているだけといった認識で開き直りをされることもあります。
他方で、システムエンジニア側の業務理解のなさと業務分析力の不足、見込みの甘さも、しばしば発注トラブルの原因になります。

精通した弁護士が、顧客側でもシステム開発プロジェクトに早い段階から一定関与して進めることが大切と感じます。
契約書作成・受発注・プロジェクト段階からのチェック作業が必要になります。
西村法律事務所では、発注する一般の会社からも、システム開発業界やITサービスに関する取引基本契約書や受発注書を作成する機会が多いのですが、その業界その会社の業務フローに対する深い理解があってこそ対応が可能です。
そのサービスの採用自体を制止したり別の選択肢を検討していただくようアドバイスすることも稀ではありません。

メーカー(機械・化学・自動車関係)

メーカーの顧問業務の場合、取引基本契約書や秘密保持契約の作成・チェックが多くなります。
取引先のレベルや関係性に応じ、詳細なものからシンプルなものまで、TPOに応じた柔軟性と厳密さの両方が求められます。
むやみに詳細で有利な契約書であればよいというものではありません。
フィフティ・フィフティな折合いをどこで求めるかの落とし所を考え、商取引として共栄を図る交渉とブリーフィングをサポートします。

契約条項としては、製品の仕様や質の要件を文書に落とし込むこと、出荷時検査・受入時検査や瑕疵対応の枠組、技術情報の交換の際の機密指定、ユーザーへの使用上の注意書き(製造物責任の回避の為)の練り込み、製造物責任(PL)対応など。
いずれも、その技術や製品に対する科学的・技術的理解を持つ一方で、メーカーの側だけでなくユーザー側企業の目線、エンドユーザーの目から見た視点を持つことも不可欠です。
しかし、技術者と膝つき合わせて質問や意見交換を重ねて理解し、踏み込んでプロジェクトをサポートできる弁護士が、驚くほど少ないことも事実です。

弁護士は、科学技術に対する理解と関心、追求の念を深く持つべきです。
でも、それができない、諦めている、あるいはわかったつもりの弁護士が多いと思います。
工学系・科学系・医療系の製品のメカニズムを学ぶことは、やる気さえあれば、難しくありません。
最近は、機械工学系・化学系・医学系の技術書といった書籍も、各業界別レベルで入門から上級編まで、手軽に書店で入手できるようになりましたし、インターネットで読める学術論文も飛躍的に増えました(読んでいて実に楽しいものです)。
しかし、そもそも入口で「技術は理解できない」と諦めている弁護士が多いように思われます。

メーカーの顧問弁護士の仕事は、機械製造・金属加工・プラスチック成型・機械メンテナンス・化学薬品や製品の製造・自動車関係の部品製造などにおけるトラブル対応は、現品・現場を見て、開発現場や製造現場のオペレーションを理解するところから始まります(と私は考えています)。
顧問弁護士が、コンサルティングとして、法務部門→総務部門→営業部門→製造部門、そして経営陣という社内の縦割りのハードルを突き破って、社内の風通しをよくし、セキュアで合理的なビジネスソリューションを構築し、売上と利益の向上をめざす、ということが理想的です。

契約書のチェックをしていても、会社の法務部門が、製造部門のオペレーションを理解していないのではないか、と疑問を持つことが少なくありません。総務部門、営業部門と製造部門は会社の中でも相互理解が難しいことが少なくありません。そして、その相互理解を率直かつスムーズに図れる管理職や経営の担当役員を、その地位に得ていない、といったこともあります。
営業部門では、法務部門や顧問弁護士の契約書の文言での提案や修正要求が、メーカー間の取引上の信頼関係を踏まえないような一方的なものだったりして、商談がスムーズに成立までいかないという経験もあるはずです。
欠陥品の発生は、リコールや手直し作業に繋がり莫大な損害を出します。その対応でその企業の将来にわたってのブランドと信頼性がかかってきます。取引相手との契約書でひたすら有利に取り決めることが正義と思っているような経営者や現場担当者もいます。

しかし仮に多少有利に契約書の文言の取り決めができたとして、その取り決めたとおりに木で鼻をくくった対応をして主張を振りかざして、取引先企業や消費者を切り捨ててしまえば勝ちだというわけではありません。相手を踏みつけにするような契約は、最終的にはその企業の長期的な信頼を損ないます。

検査基準・製品標準書の整備にしても、一方から極端に高い要求が出ることがあります。
それが現実に対応可能な要求かを、製造部門・営業部門・総務部門が横断的に理解して検討してもらわなければいけません。
しかし、意外とそこがチグハグなまま、顧問弁護士に確認を取ってこられることもあります。
西村法律事務所の弁護士が、「こんなことがオペレーションとして可能なのか」と指摘し、そこからはじめて社内の部署間の問合せやフィードバックが有効にぐるぐる回転しはじめるということも少なくありません。

西村法律事務所では、各種機械や化学のメカニズムについても、各種メーカーの契約案件やトラブル処理のためもあって理解に努め、研鑽を積んでおり、各種産業分野の技術に対するリテラシーもご説明を受ければ理解できるだけのものは備えています。
技術的理解のリテラシーと考え方の作法は、業界横断的に通じるものがあり、相手先の企業の業種のことも、理解しておくことが、WinWinのメーカー間取引の発展には欠かせません。
そういう意味で、機械工学や化学、その他の技術分野について、普段から回避せず探求しているかで、専門性は格段の差がつきます。

建設(建築紛争。プロジェクト案件)

西村法律事務所では、建設業者の側でも、施主の会社の側でも、プロジェクト案件段階からコンサルティングで参加する案件もあります。

建築紛争になってからより、早目の段階での参画が紛争防止には重要です。
西村法律事務所の西村幸三弁護士は、自身が建設業の家に生まれ育って、学生時代に工事現場に駆り出されて手伝ったりしていました。
現場用語(在来工法やRC・鉄骨)はもちろん、施工図面や写真、契約書別紙の工事明細などを見れば、だいたい状況のイメージができます。
トラブルの理解や防止のポイント等について、かなり優位性を持っています。
図面を見て職人さんから説明を聞いてさっと現場のイメージを理解できるかどうかだけで、打ち合わせの手間や労力には天と地の差があります。

建築紛争では、まず一に法規への理解です。建築基準法・消防法・条例や例規・京都でしたら景観条例など。
建設業者側が原因のトラブルは、担当者レベルで法規に無知であるがゆえに生じていることが実に多いです。
契約トラブルでは、なにより、契約の時点で建築仕様の決定が甘いこと、それによる増額変更によるトラブルが原因として挙げられます。

法令違反や見積漏れが生じるのは業者側の代表者がいいかげんであったり、担当者の無知の責任が大きいこともあります。
追加工事要望からの施工額変動は、ふんわりした信頼関係で大雑把に発注してしまってから、あとから次々要望してくる施主側の心構えにも責任があることも多いです。

業者がその都度施工額が変動するインフォームドコンセントが取っていないことも原因になります。「設計事務所の一級建築士のセンセイの施工現場知らず・予算無視」で引き起こされるトラブルも、結構あります。
近年は、躯体だけでなく内装・設備周りのトラブルも増えていますが、現場用語も多様化しており、よりリテラシーが求められます。

破産管財事件でも建設業案件は独特の難しさがありますが、西村法律事務所では多く担当してきています。
施主の側で、建設プロジェクト計画の段階から仕様や事業計画の立案にまで関与して進めることもあります。
建築用語や法令の理解が施主に伴っていない場合、設計事務所や施工会社の説明も舌足らず、あるいは施主の側のやりたいことがどこまでできるのかを踏まえないまま担当者が仕様を提案してしまっている、という場合は少なくありません。
そのような仕様決定、見積漏れ、変更などトラブルが起きやすい点にも、関与して、後でトラブルになるのを防ぐのに貢献しています。

運輸(貨物運送、旅客運送)

貨物運送と旅客運送は、それぞれに特殊性があります。

貨物運送では、地方運輸局からの監査問題、労働時間については休憩・待機時間が長かったり改善基準告示という特殊な労働時間体系、残業代請求、頻繁な交通事故、過積載防止問題、不良従業員への対応、労働組合などへの対応があります。

旅客運送では、不良従業員への対応、運転手と運行管理者それぞれについての労働時間体系と残業代請求問題、不足する運転手確保の要請とのバランスなどに特殊性があります。

労働集約型産業のため、労働問題対応が非常に多く、強硬で威圧的な労働組合(いわゆる一般労組、ユニオン等)への対応も必要です。
使用者側で労働事件(労働審判、訴訟、労働委員会、組合との団体交渉)を古典的なものから近年トレンドのものまでこなしてきたかどうかの経験が問われます。

西村法律事務所では、事務所創設以来、長年、使用者側で労働事件を多数こなしてきています。
貨物・旅客運送会社の顧問業務や労働事件では、その業界の昔ながらの慣行から、現在の最新の法規や労働事件の動向、トレンドが変化する給与体系やビジネスモデルの導入、人材確保の観点まで理解していないと、適切な対応はできません。

不動産仲介業、ディベロッパー、不動産賃貸業、駐車場業

不動産仲介、売買、開発などのトラブルには、各種法令(宅建業法、都市計画法、各種条例)などへの精通が不可欠です。
西村法律事務所は、西村幸三弁護士が宅建試験合格者です(50点中41点)。

紛争の現場では、宅建業者が、実は宅建業法を守っていなかったり、宅建業法違反、重要事項説明ミス、その他の土地利用規制、建物利用規制に抵触するような取引を進めたり、説明不足や誤ったまま取引を進めてトラブルになることもしばしばです。
不動産業者は玉石混淆で、顧客の囲い込み意識が強く、ハゲタカ的な行動を取る業者や、態度を急変させる危なっかしい業者は今でも散見します。

開発業務などは、宅建業者でない一般企業自らが開発主体となる機会もあるため、都市計画法による開発業務についてアドバイスする機会もあります。
そのプロジェクトへのアドバイス対応には、開発業務の流れへの理解が不可欠です。

一方、不動産オーナーからの日常の相談は、主に入居者や建物に関する大小様々なトラブルが多くなります。
しかし、契約書が我流で作られていることが多く、穴も多いです。
店子によかれと思って対応したことが後で裏切られ、徒となって返ってくるケースも山のようにあります。
不動産賃貸経営は、営業面、法務面で、時代の趨勢を追いかけることが必須です。
不動産賃貸経営をしている場合は、法人であっても個人であっても、顧問弁護士を付けて早目の相談を心がけ、契約書ひな形と手順を確立することと、何かにつけてすぐに相談できる体制を取っておくことが絶対的に重要です。

小さなトラブルが随分あとになって大きな損害になって返ってくることが多い業界です。

駐車場業では、従前からの月ぎめ駐車場でも行方不明になった借主の放置車両問題が増えています。
コインパーキングは比較的新しい業態のため機械の故障や破損のトラブルが頻発します。
これも、小さなトラブルが多いわりにクレームは深刻化することが多いため、顧問弁護士に即座に相談できる体制が必須の分野です。

賃貸業では、高齢者のオーナーが、建物の内外装の設備更新もあまりやらず、入居率も下がり、賃料も下がり、あるいは安すぎる賃料のまま古い借家を放置し、あげく相続税で苦しみ、といったどん詰まりのケースも多いです。
オーナー側も、落差の大きい業界です。

協同組合

協同組合には、いわゆるオーナーがいません。
零細企業の集まりが協同組合です。
それだけに、代表者や執行部が変わるたびに方針が右往左往したり、無責任な事業展開や従業員管理で傾いたり、事務局による背任や横領などのトラブルも起きやすいです。

総会運営、理事会運営、組合員との関係も、コンプライアンスに沿った手順が踏まれていないケースをまま見ます。
協同組合のガバナンスには、中小企業協同組合法や定款運用に関する深い理解が必要で、なおかつ、零細企業のオーナーの意見や利害が対立するデリケートな場面の巧みな調整、運営にあたってのトークや説明資料の指導などまでが必要となってきます。
顧問弁護士としては西村法律事務所ではケースバイケースでそこまで踏み込んで対応しますが、殆どの協同組合はそこが甘いために、いざトラブルが生じれば、深刻なトラブルへと発展していきます。

顧問弁護士に多面的な意見をぶつけて気軽に相談できるオープンな組織運営が求められるのが協同組合です。

学校法人(大学~幼稚園)

学校法人は、理事・評議員・監事など、組織構成が特殊です。
教員と職員も別世界のごとく感覚が異なります。
理事長、外部理事、事務局長、学長、保護者会役員など、異なる立場の方が、経営面、学術面、教育面をバランスをとりながら運営されています。

所長の西村幸三弁護士は、学校法人について、理事・評議員・監事・保護者会長・顧問弁護士のいずれの立場も経験して、いずれの立場でも保護者クレームへの対応を経験しています。

宗教法人や経済人が事実上のオーナーとなっている学校法人も多い一方、オーナー不在の学校法人もあります。
あるいは独立行政法人もあります。
それぞれに、独特の長所と問題点を抱えます。

問題児童への対応(退学や停学処分など)、最近ではパワーハラスメント・アカデミックハラスメントその他の労働問題・難しい保護者対応が、まさしく、激増してきています。
ステークホルダーの教職員のインテリジェンスとプライドが高いため、一旦、運営方針、不祥事や金銭問題の責任論が生じたときに、お互いに妥協せず、対立と紛争がエスカレートしやすい傾向があります。
民事紛争さらには刑事告訴などに発展する事例もあります。

その対応には、まずもって教育上の配慮が基本にあり、裁判例や学則、教育基本法その他教育政策全般の解釈や運用の検討、都道府県や市町村の文教課等との調整や相談も想定しての対応が求められます。

2025年には私学学校法の大改正もありました。
文部科学省の細かな政策変更への対応は法改正以上にしばしばあります。

学校現場は、扱ったことの無い新たな教育事業の展開も求められ、一方で保護者のヘビークレームに疲弊しています。
教職員、執行部ら学内で到底適切に判断しきれない場面が急速に増えてきているという印象です。

一方で、家族経営の幼稚園なども存在します。
こういった学校法人では、総務部門=園長や理事長なので、いわばなにからなにまでわからないことがのしかかってきます。

特に保護者対応は、年年ギスギスと険悪化するケースが増えているという印象です。
顧問弁護士が、アドバイスしたり、適切なプロフェッショナルを紹介したり、文教課に相談指導を仰ぐ手順やタイミングを指示したりもします。
ヘビークレームへの対応、組織運営まで、幼稚園から中学高校さらには大学まで、顧問弁護士にしょっちゅう細かい相談をする機会が増加しているのが、現在の学校法人の状況です。

宗教法人(寺院、神社、墓地)

宗教法人には、2大類型として、神社と、寺院(本山、末寺)があり、それに新興宗教団体がありますが、一之宮クラスの神社や、総本山の寺社ともなると、民間の中堅企業並みの総務能力と契約事務対応が求められます。
神社の結婚式事業の展開により、ウエディングプロデュース関連業種各社との契約関係が激増しています。
しかし、取引基本契約書の作成や整備も遅れた業界であり、またウエディング業界はもともと顧客対応が難しいクレーム産業です。

神社側との意識や体制整備のギャップがトラブルを招きます。
不動産や古くからの借地借家も多いのですが、不動産賃貸経営といえるレベルにない低レベルな管理が行われていたりします。
世間に疎くなりがちな神職、本山の内局や住職に対する遠慮から、ガバナンスや風通しに課題が生じていることもままあります。

一方で、家族経営のような末寺の寺院では、住職・代表役員のガバナンスに問題があるケースもあります。
公私混同、檀家からの不信感、それによる紛争勃発もあります。
住職の、親子間や外部招聘に伴う代替わりも、内部紛争のきっかけになることがあります。

墓地開発や販売に関しては墓地法の理解と行政との連携が必要ですが、案件を持ち込む石材業者や開発業者が引き起こすトラブルもまた絶えません。
墓地開発業者側にも宗教法人側にもガバナンスのレベルに問題が多いことでトラブルが発生し、深刻なトラブル事案を取り扱ってきました。

学校の先生や宗教者は、残念ながら、世間知らずなことが多いです。
境内地の賃貸借にまで、厳格な責任役員会の議事録や公告等が必要になることに認識が弱く、おろそかにしていることも少なくありません。
責任役員や代表役員の選任手続がずさんなこともありますが、欠員が選ばれずに放置されてしまうこともあります。
それで収拾のつかない紛争を招くこともあります。
学校法人・宗教法人も世間知らずからおかしな取引契約を結んでしまったり、アドバイザーぶった業者に騙されて混乱を招くこともしばしばです。
聖職ゆえにかえって傲慢さが出て、ハレーション・ハラスメントを起こすことも多いです。
代表役員だけでなく総務担当者などが顧問弁護士に早目に相談できる体制をとっていることが、ガバナンス上、コンプライアンス上、非常に重要になります。

医療法人、社会福祉法人(障害者・介護)

医師も、聖職ゆえに、世間的無知で来てしまっている方が意外と多い業界です。
医師が、MRや薬局関係者らのサポートでクリニックや病院をうまく経営できている事例は多いです。

しかし、一歩間違えると、「売らんかな」で動いている営業マンに、コロリと騙されて、ハイリスクな事業(M&Aなど、新規事業部門の開業など)や契約(空リース契約、無理な設備投資など)に誘導される、理不尽な場面にも遭遇します。
介護業界ともなると、介護士だからといって経営能力が備わっていないことはしばしばです。

しかし、オーナー的立場の理事長や、事務局長が経営のプロかといえば、必ずしもそうもいえません。
事業展開の上でのリスク想定の甘さも目立ちます。

たとえば、訪問看護ステーションは患者獲得競争激化で毎年設立された半分ほどが閉鎖されていますし、介護事業も設備費・人件費の圧迫で年年業況が厳しくなっていますが、オープンしたはいいが販売促進などの営業努力まで覚悟もなく手も回っていないためすぐに傾くということが起きます。

コロナ禍・ウクライナ戦争以来のインフレによって、医療・介護関係のコストアップは急激で、利益が削られ、赤字に転落するクリニックや介護施設も急増しています。
そんな中で、契約ごとや事業展開の営業政策についての世間知らず、無知、いいかげんさ、私生活の浪費などから、経営悪化、コンプライアンス違反、果ては、不正請求・報酬返還問題に繋がることもあります。
それによってあっという間に、多額の負債で身動き取れなくなったり、さらには倒産してしまう医療法人も存在します。
そこまで傾いてからではなかなか遅いのですが、うまい話に乗らないよう契約ごとに関するリスク想定や指摘をきちんとできるブレインとして顧問弁護士を置いておくことが大事な業界です。

患者、利用者との関係では、最近、怪我や暴言などによるクレーム事案が顕在化することがかなり増えています。
これには、職員側に問題があるケースも、患者、利用者、保護者のモンスタークレーマー事案もあります。

社会福祉法人や医療法人の組織運営もまた特殊です。
理事会・評議員会の運営や議事録上の法令遵守、例えば利益相反取引の承認手続などは、総務能力の乏しい小規模な法人では満足になされていないこともしばしばで、いざ紛争になったときには脚をすくわれて収拾がつかないような場面も少なくありません。
再建のために理事長の交替を求めざるを得ないような場面もあります。

こういった法人のM&Aも、本来は想定されておらず税務上などの問題が多く特殊なものですが、一定数存在します。
しかし、総務能力が脆弱なため法人の法令遵守とガバナンスの原則と手順を理解しないまま、重大な取引や選解任手続を進めてあとで問題となって混乱してしまう実態があることも事実です。

社会福祉法人や、最近では学校法人など、各種の特別法に基づく法人のガバナンス改善のための法令改正が相次いでいます。
監督官庁に言われるままに目先の対応しているつもりで、運用が満足にできておらず、日日の本業に追われて意識が追いつけていない法人が大半のように思われます。

製薬、医療機器、薬局

製薬業界(医薬品・化粧品製造販売)、医療機器製造・販売業界、薬局業界には、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律。医薬品医療機器等法。旧薬事法)という法律にさまざまな通達の積み重ねが存在し、表示規制も含め、その対応はかなり技術的、専門的なものとなります。

メーカーや代理店レベルでの取引基本契約書や秘密保持契約書が非常に厳密なものになりがちなのも、これらの業界の特徴です。
一方で、店舗開発に伴う出店・退店や都市計画法の開発業務も多く、賃貸借契約、建築請負契約、不動産売買契約、また従業員規模が大きい労働集約型産業でもあるので現代的なホワイトカラー特有の各種労働問題対応、さらには従業員の各種不正(取引先との癒着や不正取引)対応など、非常にテンポの速い契約ごとや問題対応の多い業態でもあります。

アパレル卸・小売(洋・和装・小物)

京都には和装業界という、業界用語から特殊な業界があります。
極めて細分化された業態(各種職人、製造、製造卸、二次卸、小売、悉皆屋)があり、かつては長期サイトの約束手形、融通手形による与信や回収不能トラブル、浮き貸し(委託販売)の管理、在庫の陳旧化など、経営面や法律面の課題や問題が絶えませんでした。

長い和装不況のなかで、近年は古いスタイルの卸や小売は淘汰されてしまった感があります。
しかし、現実の取引の中では依然として一部に古いスタイルの取引が残っています。
昔からの和装業界の取引の特殊性を理解していない弁護士だと、打ち合わせても会話が通じない、理解してもらうまでに一苦労する、商取引の慣行を無視した突飛なアドバイスをしてしまう、というようなこともあります。

生き残っている和装業界の会社は不動産賃貸経営などにコア事業をシフトしている企業が多いです。
また、レンタル事業、ウエディング事業に進出している企業もあります。

洋装、いわゆるアパレルは、入れ替わりが激しく、新興の製造卸が次々と華々しく登場します。
近年は殆どがファブレスで海外メーカーからの輸入で商材を調達しています。
EC販売に進出して急成長しているアパレルメーカーもあります。
こういった企業は、和装業界と打って変わって、事業展開や成長が非常にスピーディーです。

しかし、営業面・総務面など、全般にガバナンスが未熟で、企業の全盛期や寿命も短く、事業承継も、同族での承継が、個人的商才の問題から簡単ではなく、親子間でも問題が起きがちです。
商標や不正競争防止法などで問題がおきる、たとえばサービスマーク侵害、盗用・コピー品、類似品などの問題が起きやすい業界でもあります。

時代の流行や趨勢に左右されやすく刹那的になりやすい業態を、どのように持続可能に運営していくのか、経営姿勢など深く踏み込んだアドバイスをしながら、顧問弁護士としてサポートしていくことになります。

自動車販売(メーカー系ディーラー、業販店)

自動車販売業界は、ひと昔前は、非常に顧客が荒っぽいことの多い業界だったと言ってよいと思います。
車好きには、アウトロー(ヤクザその他)もいれば、メンタル的に執拗なクレーマーも多いです。
感情的な顧客も多いです。

車の品質や修理対応に完全性を求められる場面が多いのですが、当然必ずしもそうはいきません。
販売・修理の側からは、調整程度で問題がない事象、ささいな事象やちょっとした言葉使いが、取引額が概して高価なだけに、激しく顧客の怒りを買い、その中には半ば意図的なクレーマーも多いことから、B to Cで深刻な不当要求に発展することが多いです。

また、自動車販売業界には、自動車メーカーの直営販売店という穏健な大企業もあれば、業販店(自動車の修理工場が販売や損害保険業務にも進出している業態)、店舗も持たないでガレージに車を並べている程度のブローカーのような業態まで、雑多です。
末端になるほど、業者の側にも問題行動をとる業者や担当者がいて、B to Bでも代金未回収トラブルや不当要求が起きがちです。
扱う部品の額が大きいため、社内不正(部品の横領・転売、取引先との不正取引)も起きやすいです。

業販店は損害保険代理店として保険の販売や事故処理も取り扱うことが多く弁護士費用特約を利用した被害事故案件の紹介の対応も非常に多いです。
自動車販売店は保険の付保や処理の知識のレベルにバラツキがあり、自動車保険以外の損害保険商品となると知識に穴があることも多いので、顧客対応として早目に弁護士対応できる環境があるかどうかでサービスレベル自体に差が出てしまっているように思います。

EC販売、中古品仕入販売

EC販売(エレクトリック・コマース)というのは、何も特殊な業態ではなく、いまやメーカー本体でも、メーカー直営代理店でも、さらに町の小売店でも、あらゆる業種で、EC販売が行われています。

楽天・ヤフー・アマゾンなどショッピングモールへの出店、自社の通販サイトの開設・運営は、コロナ禍への生き残りを掛けた企業も多く、近年急激に増えました。
ネット通販サイトでの契約約款や特定商取引法の通信販売規制への対応・整備は、市販のEC販売システムのフォーマットが存在する場合はまだよいでしょう。

しかし、自社の通販サイトの開設・運営はレベルは、やはりレベルがバラバラで、電子消費者契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)、特定商取引法、消費者契約法などについての基本的知識がないまま見よう見まねで進めている危なっかしいケースもあります。
特別法で販売規制や表示規制が存在する場合もあります。

海外通販については、EUのGDPR個人情報規制に対応したWebサイト作りも必要になっています。
中古品については古物営業法の分野で、警察規制が加わります。
近年は本人確認体制の不備などから盗品や横領品の持ち込みを不注意で漫然と受け入れてしまってトラブルが深刻化するケースもあります。
ひと昔前のおおざっぱな感覚では通用しない時代になっていることを理解しておくべきです。

料理・飲食

料飲業界は、労働集約型産業のため、労働問題が発生しやすいです。残業代請求において、ランチとディナーの間の休憩時間が手待ち時間や仕込みをしていた等として労働時間とみなされたりといった案件は昔から存在しますが、最近紛争が多発しています。
現金を取り扱うことが多く、食材の横流しも含めた従業員の横領、仕入れ先との癒着も起きたり、不良従業員による問題がおきやすい業界です。

ツケの効く料飲店の場合は売掛金の滞留、焦げ付き、債権回収も課題となります。
不動産賃貸借に絡むトラブルも多く、近隣とのトラブル、都市計画法の用途地域、建築基準法の制限に違反した出店、消防法への抵触などによる行政からの利用禁止などが発生します。
ヤクザなどから不当要求を受けやすい業界でもあります。

社団法人、財団法人、その他特別法に基づく法人

平成18年に一般社団法人及び一般財団法人に関する法律が整備され、社団法人・財団法人の運営は整備されましたが、重要な議事録作成や規程の整備が稚拙で進んでいない社団法人・財団法人は、NPO法人などで特に、中小零細法人も増えていることから、けっこう目立つように感じます。

利害相反チェックが漏れていることもあるように思います。
トラブルになる前に整備しておけばよかったというケースや、規程が存在しているのに忘れ去られていて無視して進めてしまったりというケースもあります。
地方自治体の規程を引き写したような就業規則や勤務体系がそのまま使われていたりもします(地方公務員出身OBが起案したものが漫然と使われていることが多い)。

営業により利益を上げるという場面が少ないことから、もともと従業員にも営業的感覚が乏しく、日常業務を踏み越えた場面で取引上の基本的な注意点が欠けているところから、稚拙なトラブルが生じます。

内部的には、丁寧でロジカルなガバナンスが要求されます。ホワイトカラー特有のうつに陥る従業員が多く、休職やうつ労災問題への慎重な対応が多い業界です。

こういった法人も、いまや業務が急速に多角化しており、ネット通販、ビデオオンデマンド、斡旋販売、業務提携など、一から事業を立ち上げないといけない場面で、内部人材の知識ではとてもプロジェクトが完結できず、顧問弁護士としてサポートする機会が増えていると感じます。

士業協働

西村法律事務所では各種隣接士業のネットワークを広範囲に構築しています。

各士業とも、能力レベルや強みのある分野は千差万別で、案件ごとの適性、クライアントとの相性も考慮しながら、他士業のプロフェッショナルを紹介し、共働して処理を進めます。

大半の弁護士業務では、案件処理に伴う税務処理の必要が生じます。
相続や事業承継案件では、所得税、法人税、相続税(贈与税)への理解は必須ですが、残念ながらちまたの弁護士に税務処理の出口を見据えた処理をしている人が多いとは言えません。
弁護士の税務面での無知や無配慮で、税理士が税務処理に困る場面は多くあります。
相手方の弁護士の税務面での無知、無配慮で困る場面も、相続を中心に多々あります。
法人の案件の処理でも、全般に、資産税(不動産や株式の譲渡益課税、債務免除益課税など)への深い理解は必須ですが、弁護士でこれに精通して配慮しながら進めているといういる人は意外に少ないといえます。
なお、税理士でも資産税処理に長けた税理士、先を見た対策を提案してくれる税理士は比較的限られます。

境界紛争では、土地家屋調査士と連携して、図面や古くからの地積測量図を収集したり、土地家屋調査士会の紛争解決センターに持ち込んだり、筆界特定を選んだり、相手の弁護士や依頼者を含め、いわば専門的知見を翻訳して伝え、各方面を説得しながら進める作業が多いです。

土地家屋調査士は中立的に境界を鑑定する基本的立場に立ち、弁護士は依頼者に有利かつ合理的な解決を図る立場です。
土地家屋調査士同士でもでも見解が分かれることもあるため、その交通整理は複雑で柔軟さを求められます。

公認会計士とは、M&A、民事再生、事業再生、そこでのデューデリジェンスやスキーム組成、企業の不正調査、検査役業務などで協働することが多いです。

司法書士も、不動産登記業務だけでなく、法人の定款や組織構成の設計、法令を遵守した運営や議事録作成等、必要に応じて協力して会社をブラッシュアップすることが多い組み合わせです。

最近は、多数当事者の相続案件や共有物処理などの案件で、対応する相手先により司法書士、税理士、弁護士と出て行くプロフェッショナルを使い分けながら進めるケースも増えています。