OCNモバイルONEへ乗り換え

格安スマホとしてこれまで約2年半、BIGLOBE SIM(イオンのスマホ)を使ってきた。

BIGLOBE SIMは、1か月1400円+消費税で、1GBの高速通信ができた。

低速(0.2MBPS=200Kbps)になった場合でも、それ以上の超低速制限はかからない良質なSIMである。

私の持っていた旧型の遅いスマホでも、1分で1MB程度のダウンロード速度が確保できていた。

IIJ系のSIMは、低速になってから3日で366MB使うと超低速になり、使い物にならなくなる。

それにくらべればBIGLOBE SIMは、良質で良心的である。

ドコモ・au・ソフトバンク・ワイモバイルは、7Gといった容量を超過するとなんと格安スマホ以下の128Kbpsに低下し、ソフトバンクなどは目も当てられない遅さになる。

それにくらべれば低速時の使い勝手の良いBIGLOBE SIMには、まずまず満足していたのだが、この度、OCNモバイルONEに乗り換えることにした。

OCNモバイルONEは、月3Gで1800円である。単純に400円上がる。

それでも乗り換えた理由はいくつかある。

まず、低速時のバースト転送の秀逸さである。

BIGLOBE SIMには、バースト転送が備わっていない。

BIGLOBE SIMを実際に使っていると、バースト転送らしき動きは垣間見える。

Webページを開いた時のデータ転送の初速が多少早く感じるのである。

とはいえ、公開されている仕様上ではBIGLOBE SIMにバースト転送機能は掲載されていないので、公式には無い(裏で動作はしていても動作保証はない)、ということである。

IIJ系のSIMには、バースト転送があるSIMが多い。

しかし、IIJ系のSIMのバースト転送のサイズは75Kbyteである。

一方、OCNモバイルONEのバースト転送サイズは、150Kbyteである。

150Kbyte=1200Kbitであるから、200Kbpsの低速モードでいえば、約6秒分を一瞬にしてダウンロードしてくれることになる。

一方でIIJ系のバースト転送は3秒分である。

ニュースサイトのページを、低速時にクリックして、開くのに、3秒はかかっても、6秒かからないことが多い。

このサイトをめくるたび3秒の違いは非常に大きい。

実際にニュースサイトをOCNモバイルONEで低速モード(ターボOFFモード)開けば、ほぼ一瞬で文字をダウンロードしてしまうことがわかる。

画像はあとから多少遅れて開くサイトも多いが、なにぶんニュースサイトはページを細かくめくることが多いので、体感速度はずいぶん変わる。

YouTubeでも、画面解像度を低画質モードにしてあれば、OCNモバイルONEの低速モード 200kbpsでも、ほぼ音楽が切れることなく視聴できる。

これも、youtubeの視聴し始めた際のバースト転送による貯金がゆとりとなって、音途切れを防いでいるようである。

OCNモバイルONEに乗り換えて、ターボOFFモードで1週間ほど使ってみたが、BIGLOBE SIMの低速モードよりはるかに体感速度が速く、乗り換えた値打ちがあった。

LINEなどのSNSであれば、そもそもBIGLOBE SIMの低速モードでも使用に支障はないが、OCNモバイルONEでは速度は明らかに向上する。

もうひとつ、BIGLOBE SIMは低速・高速の切り替えができない。

だから、月の初めから強制的に高速容量を使っていく。

OCNモバイルONEは、低速・高速の切り替えが、アプリを立ち上げて、ワンタッチでできる。

例えば、スマホにPCをテザリングでつないで、PC上でメールをダウンロードするときや動画を見る時など、通信を高速にしたいときだけ、高速に切り替える。

普段は、ターボOFFにしておいて低速でも、SNSやWebサイト閲覧はたいてい事足りる。

LINEやgmailで少々大容量のファイルが送られてきたところで、高速容量を食わない。気づきもしない間にゆっくりダウンロードしておいてくれている。

OCNモバイルONEは、Wifiのアクセスポイントも、非常に多い。

SECURED Wi-Fi エリアと、DoSPOTエリアでWifiが可能で、約9万か所、これが使えて、月1800円の中に含まれている。

BIGLOBE SIMのWifiスポット数はOCNモバイルONEに劣らず秀逸であるが、Wifiは月250円のオプションである。

1400円+250円=1650円となると、OCNモバイルONEの3ギガ契約とは150円差。もはや、使い勝手では、この時点でコストパフォーマンスは逆転している。

OCNでんわは、通常の携帯電話音質で、半額の30秒10円で掛けられる。

OCNでんわは、10分かけ放題で月850円のプランを提供していて、他社の5分かけ放題プランが同金額帯であることをみると、あきらかに優位に立っている。

OCNモバイルONEにはもうひとつ、IP電話(050Plus)1回線が標準で付属する。

050Plusは、月額300円+消費税の基本料金がかかる。それが1800円に含まれる。

IP電話で、月額基本料金が無料のものはいくつもあるが、実は固定電話にかけても携帯電話に掛けるのと同じに30秒8円かかったりする。

しかし、050Plusは、なんと、固定電話への料金が3分8円である。

これは、海外旅行に行った時に、ありがたみがわかってくる。

SIMフリーのスマホを持っていれば、海外に行った時は、SIMを差し替えて、外国の現地のSIMを挿し替えて使うことができる。

デュアルSIM対応のスマホの中でも、gooのg07などは、現地SIMと日本のSIMを両方挿して両方着信待ちが可能である。

日本からかかってきた電話はローミングで着信まではできるが、出ないようにして、折り返しは、現地SIMの電波を使って(またはWifi環境下で)、050Plusでかければ、日本向けの通話が3分8円、日本の携帯電話にかけなおしても1分16円である。

IP電話はどうしても多少の遅延はあるのだが、高速な電波やWifiのもとでだと結構話せる。

もっとも、LINEの無料通話やコールクレジットのほうが、050PlusといったIP電話よりも、はるかに遅延がすくなく、快適に話せるので、実はLINEのコールクレジットをよほどお勧めする。(LINEのコールクレジットだと相手がドコモの携帯電話だと非通知着信になってしまうが)。

LINEの無料電話は音が痩せていて、圧縮率が高いと思われるが、その分、遅延が少なく海外では実に快適なのである。

さらに奥の手を使えば、海外旅行中は、日本から出発する直前に携帯電話の転送先を050Plusの番号に転送設定することがおすすめである。そうすれば、携帯電話のバカ高い海外ローミング転送料金はかからず、国内転送料金だけがかかることになる。

着信に出て、おり返せばよい。これで海外ローミングの日額何千円の基本料金も海外転送料金も全くかからない。

折り返しはLINEのコールクレジットで掛ける。

相手によっては、こちらが非通知だと電話に出てくれない場合がある。

そのときは、現地SIMから、gmailやSMSで相手の携帯電話に、「海外だから非通知で掛ける」とか、「IP電話から掛ける」、とメールで送っておき、それから電話を掛けたら出てくれるであろう。

ちなみに、国内にいるときでも、050Plusの番号同士の通話は無料で、OCNモバイルONEのシェアは大きい上に、家族で050Plus回線をそれぞれ持てば、家族間通話がそれでかけ放題となる。

OCNモバイルONEでは、高速通信時でも050Plusはカウントフリーで、いくら通話しても高速容量を食わない。

シェアSIMも強力である。1枚月400円で最大4枚まで追加できる。通話付きのシェアSIMでも1枚月額1100円である。

OCNモバイルONEは低速でもバースト転送容量が大きくて快適なので、3ギガの高速容量でも、低速にしている家族はその間まったく高速容量を食わないので、IIJ系のSIMやBIGLOBE SIMのように強制的に月の初めから高速容量から食い始めるSIMのシェアSIMと比べると、OCNで使える毎月の高速容量の実サイズははるかに大きいことになる。

とはいえBIGLOBE SIMのシェアSIMは1枚月200円で持つことができる。

これはOCNモバイルONEより明らかに安い。

しかし、シェアSIMも親SIMも、月の初めから高速容量から食っていくので、たちまち高速容量を消費してしまうのがデメリットとなる。

このように、丁寧に使い勝手を考えていくと、OCNモバイルONEは、実に良心的で良質であることがわかる。

なお、格安SIMの初期契約手数料は3000円くらいがほとんどであるが、OCNモバイルONEの通話SIMは、初期契約料金無料のパッケージがアマゾンなどで200円くらいで売られている。

MNPによる乗り換えもそれでできるので、それを買えばいいのである。

また、Goo simsellerという、NTTレゾナントが運営するスマートフォンの販売サイトがある。

しょっちゅうバーゲンセールやキャンペーンをやっていて、初級機から高級機まで、かなり安い価格帯で売られている。

キャンペーン時ともなると、端末で利益が出ているのかと思うくらい、端末料金が割安である。

Goo simsellerでスマホを買えば、OCNモバイルONEの通話SIMの初期契約料金無料のパッケージが無料で一緒に送られてくる。

別にOCNモバイルONEと契約してもしなくても、スマホ販売料金は変わらないが、これで通話SIMを契約すれば、初期契約料金3000円が0円となる。

ちなみに、今は、3ギガ→4ギガ、基本料金2か月間700円引きというキャンペーンをやっている。

こういった具合である。OCNモバイルONEの強力さが、多少なりとおわかりいただけただろうか。

MVNOの回線速度比較などでは、OCNモバイルONEはいつも遅い方から数えて何番目かである。

ということは、ひたすら早く動画を見たい、一瞬でサイトが開かないといらだつ、という人には、OCNモバイルONEは向かないSIMなのだろうと思う。

にもかかわらず、OCNモバイルONEは、MVNOのシェアはだいたいがトップか、最近こそ楽天モバイルに抜かれつつ、2位の位置にある。

これは、NTT系という安心感が理由としては大きいと思われるが、それを裏付ける、良心的な高品質SIMだから、店としても勧めやすくて、不満も出にくいことが理由なのだと思う。

OCNモバイルONEは、1日110MBプランが1600円で、3ギガプランより200円安い。これも秀逸である。シェアSIMにも対応している。

低速に切り替わっても快適に使用できるOCNモバイルONEだからこそできるプランで、格安SIMの他社が、長年にわたり全く追随できていない、良心的なプランである。

移行してみて、それをしみじみ感じた次第である。

西村幸三

lawfield.com

京都・烏丸三条にある法律事務所を運営。ニュース・法改正・裁判例などから法務トピックを取り上げていきます。